三之丸天王祭〜下花車町 二福神(にふくじん)車

山田鉦七著「郷土の山車写真集」より

文政4年作(1821)
広井村の見舞車九輛の内の一つで文政4年に下花車町で造られる。
雨覆・唐破風収納箱と泰平短の筥の箱に文政四年六月の銘がある。
天保7年(1836)二福神車を新造する。旧車を竜洋町掛塚へ売却する(その後二俣町車道に移り、現在は浜北市宮口地区にて現存する)

●人形

からくり人形は恵比寿様が鯛を釣り上げて大喜びし、大黒様が打出の小槌で福袋を打つと福袋より宝船がとびだす仕掛である。

<製作年代>
麾振り----- 天保12年(1841)末広町真澄の作。
恵比寿----- 製作年代、作者は不明である。
大黒----- 製作年代、作者は不明である。
宝船----- 製作年代、作者は不明である。
(船は昭和27年七代目玉屋庄兵衛が改造する)

●大幕

猩々緋の無地幕、前幕の「下花車」の黒糸刺繍は柳沢吾一の筆。

●水引幕

金波怒濤の刺繍、下絵は森高雅の筆といわれる。

●装飾

支輪の千鳥素彫刻は森高雅の下絵といわれる。高欄の金具は明治10年(1877)頃、中須賀町寿老人車が大修理したおり譲り受けたものである。

●改修

昭和11年(1936)に大修理されている。(昭和27年、昭和34年、昭和48年にも大修理されている)

●囃子

道行囃子----「シャギリ」「神楽」「狂言神楽」「早神楽」「三番叟」「下り端」「楽」「七間町」
人形囃子----「デハ(出端)」「二ノ句」「棹ノ手」「早笛」で構成されている。