有松祭り〜東町「布袋車」(ほていしゃ)

若宮祭ゆかりの山車で、今回の大山車まつりへの参加は119年振りの里帰りとなります.

この山車は明治24年(1891)に名古屋袋町の古道具屋で売られていたのを、当時の東町の有志が1,300円の寄付を募り買い取ったものといわれます.
布袋車と呼ばれるこの山車は、下玉屋町(現中区栄3)が所有した若宮祭の祭車で、延宝2年(1674)創建と伝えられ、この山車は明和5年(1768)に作られた由緒ある山車です.

山車本体は有松に来てから改造はされておらず、往時の姿がよく残されています.
また、高欄下の宝尽くしや木鼻などの彫刻、紫檀の高欄手すり、二重になった折上げ格天井など見所の多い山車です.

からくり人形は山車名の由来ともなっている布袋和尚と2体の唐子人形、そして前棚の采振人形の4体です.
1体の唐子が蓮台を回し、別の唐子が手に持った筆で文字を書くからくりです.

山車幕は猩々緋に「龍亀麟鳳」の金糸縫で、名古屋の山車で唯一大幕に刺繍で装飾されています.この幕は旧玉屋町時代から伝わるもので、文化9年(1812)に制作されました.下絵は名古屋の山車では唯一中村梅逸による非常に貴重な幕です.また後面の詩歌は柳沢吾一の書です.
水引幕は明治25年(1892)の制作で有松に来てから制作されたもの.

有松天満社祭礼の詳細

布袋車の詳細