若宮祭〜福禄寿車(ふくろくじゅしゃ)
江戸時代より東照宮祭、三之丸天王祭とともに名古屋三大祭りの一つに数えられた中区若宮八幡社の例祭「若宮祭」に登場するのが福禄寿車です.
那古野神社(旧三之丸天王社)の祭礼と共に祇園祭りとも呼ばれ、往時は7輛の山車が登場する賑やかな祭りでした.
しかし戦災による消失などで現在当地に残っているのはこの福禄寿車のみです.東照宮祭の山車が全輛戦災で消失してしまったなかで、貴重な存在となっています.
この福禄寿車は延宝4年(1676)に大久保見町(明治以後は鉄砲町=現在の中区栄2丁目)が建造した山車です.
天保6年(1835)に尾張藩主から大幕を拝領したことから、翌天保7年(1836)出高欄を作り、福禄寿にちなんで南極星を珊瑚珠で嵌めるなどの改造が施されました.
また天保12年(1841)には折上天井が新調されるなどの改修が行われ、この頃に現在の姿になったようです.
山車名は大将人形の福禄寿(七福神のうちの一人)にちなんでおり、「福禄車」「南極星車」とも呼ばれました.
若宮八幡社に奉納する福禄寿車
本町通を曳行する福禄寿車
東照宮に奉納する福禄寿車