東照宮祭〜京町 小鍛治(こかじ)車

小鍛治車 名古屋卯月東照宮御神事図絵巻

寛永7年(1630)中市場町立合にて長安乗輿の警固を出す。
寛文元年(1661)紺地小金襴着の裲宜三十人、同頭一人、同供素袍着四人、裃着二人、傘持一人、床几持一人、薙刀持一人の警固に替る。
宝永4年(1707)中市場町と分離して小鍛冶車に替る。

●人形

竹田近江の作にて三條小鍛冶宗近が御劒を打つ前面に一人の童女相槌を打ち、其の最中に狐に変ずる。
安永3年(1774)人形装束等を改める。作者は藤吉。

●大幕

文化年中(1804-1818) 猩々緋の無地を新調し、寛政6年(1794)作の三色の羅紗地前大幕と併用する。
初発は不明である。

●水引幕

文化4(7?)年(1807)雲龍を色糸で縫潰する(蝦夷縫)。下絵は張月樵の筆といわれる。
初発は不明である。

●装飾

他の山車は格天井であるが此の山車は一枚鏡天井を用いている。
四本柱を鉄張としたのは鍛冶工場の意匠である。
四方に張廻した注連繩も一際配合が良い。

●改修

文政10年(1827)出高欄に改める。

●囃子

神楽が自慢であった。
文久時代(1861-1864) に楽太鼓を新調、黒塗の胴で革には宝盡しの彩色をした物で寸法は少々小型だが音調は非常の逸物である。