東照宮祭〜宮町 唐子(からこ)車

唐子車 東照宮御神事行化粧之図(明治21年塚本康満作)

初発は慶安3年(1650)宮町、伝馬町、駿河町立合にて田植の練り物を出す。
寛文元年(1661)石引車に替る。万治2年(1659)万治3年(1660)寛文2年(1662)説も有る
※名古屋城築城の時熱田から大石を引いた光景をうつしたもの。大きな石の作り物の上に六十斗りの男が柿色棒縞の殿中羽織に立附袴を着て麾を持った平岩主計頭(或は加藤清正と云う)の人形を一人立たせ石には紅白打交の縄をかけ、大勢の若者は木遣り小唄節を唄ってやろゑいやろゑいと勇ましく引いた。
宝永4年(1707)竹生島龍神車に替る。
※能楽竹生島の人形は奈良春日の社家某の作で俗に龍神車と呼び麾振りの頭に海老を載せたも一興であった。
宝暦6年(1756)唐子車に替る。 

●寸法

間口六尺三寸、奥行一丈三尺

●人形

浪速の名工竹田四世近江大椽藤原清秀、門人竹田又三郎随固、門人竹田四郎兵衛重秀、門人竹田弥兵衛跡休等の合作。
三人の唐子に内、一人は中央の台上に座し、二人は左右に立って台の真木を回転させると同時に二つのゼンマイは舞いだして中央の唐子は枕木と共にせり上がり、松枝に吊してある太鼓を打つ。

●大幕

文政6年(1823)白羅紗に唐花唐草すりこみを新調する。
前車(竹生島龍神車)時は今織を使用していた。

●水引幕

文政6年(1823)新調する。檜扇を水引の角に付けて装飾した。
前車時は今織を使用していた。

●装飾品

特別装置で左右の大幕の中央に金色の歯車で「オシミ」というものがあり、天井の上げ下げで回転する仕掛である。

●改修

文政6年(1823)空木建ちを新造する。

●囃子

下り葉を用い、唐子の動く時には三番叟揉の段の如き囃子をする。
大太鼓は長胴であったのを廃して明治25年に楽太鼓を新調する。