若宮祭〜中須賀町 寿老人車(じゅろうじん)

山田鉦七著「郷土の山車写真集」より

延宝2年(1674)佐夜姫車を造る。
宝永5年(1708)猿舞車に替る−宝永2年(1705)説も有る。
宝暦元年(1751)寿老人車に替る。

●人形

当地人形師隅田仁兵衛の作。
大将には寿老人を据へ其後に鹿を置き、一人の唐子が太鼓を打てば今一人は獅子頭を着て獅子の曲を舞うからくり。
前棚の左右には紅白の牡丹を挿し、麾振りは仁兵衛が一代の傑作といわれた
文化10年(1813)麾振りが子供の人形に替る。

●大幕

最初は赤ちりめんの無地幕で、前飾りに白字で中須賀町とある。
文化年中(1804-1818) に猩々緋でちらし雲の中に四神を金糸で縫ったものに替る。下絵は山本梅逸の筆といわれる。

●水引幕

最初は青地今織で雲に龍虎の模様であった。
市松形に鳳凰の丸の金糸の縫遣しに替る。
※文化、文政時代(1804-1830) の古図を見ると当車に限らず総ての山車が前面にも水引をかけている。

●改修

文化年中(1804-1818) に前棚の岩の修復をする。
天保年中(1830-1844) に高欄下に百草の透し彫りを新調す。其下絵は森高雅の筆といわれる。
明治10年(1877)に車體を改造し寸法を大きくし、天井、高欄にも修復を施し、諸道具にも善美を盡す。修復前の金具は広井村下花車へ売却され、二福神車に使用されている。

●囃子

草笛を用い一種手變りな囃子で祭車中に一異彩を放っている。