東照宮祭は名古屋城内に鎮座する東照宮の祭礼で、家康公の命日である4月17日とその前日に行われた。
祭礼は藩を挙げての行事として行われ、「名古屋祭」といえばこの祭りを指すほど、名古屋で最も盛大で重要な祭りの一つだった。
からくり山車(祭車)の嚆矢は前述した「橋弁慶車」であったが、祭車の発展にともないからくり人形も精緻を極める。
大坂を拠点とする「竹田からくり」の人形を載せた二福神車、唐子車、小鍛冶車などが取り入れ、続々と新しく趣向を凝らしたからくり人形が登場した。
当時は尾張藩主徳川宗春の治世であり、以後も十代斉朝のようにお祭り好きの藩主の奨励もあり山車祭り文化が花開くようになった。