予期せぬ事がいろいろ起きる。
足裏のマメが痛いのは前に書いたが、さらに膝の関節も痛くなってきた。
理由はわかっている。若宮の境内で脚立から何度もコケそうになったからだ。
既に少し触れたかもしれないが、私はいつも二段の脚立を使うのに、この日は気合いを入れて三段の脚立を用意してきた。
祭りで三段を使うのは初めてだったが、たかが一段分の数10㎝のことなのに明らかに景色は違う。
しかし、狭い踏代の脚立の上でバランスを保って立っているのは思った以上に大変であるし、バランスを崩して落ちたらダメージは二段の比ではない。
それは朝の若宮八幡でのこと、この三段の脚立の一番上に乗って写真を撮っていた。
もう若くはないし、長丁場なので体力は温存しなければならないから、からくり奉納の時間など降りて休息することにしていた。
ただ、これがくせ者で二段ならトントンと降りれば地上に足が付くのだが、ついいつもの調子で3段の脚立なのにトントンで安心して着地動作に入ってしまう・・・・これがどうなるか。
足はまだ地面に達していないから、大きくつんのめってしまう。
大勢の前でひっくり返って恥をかくという最悪の事態にはならなかったものの、懲りずに何度もやってしまう。
膝がめり込んでしまった気分である。
習慣とは怖ろしいもので、身体が2段の脚立に順応してしまっているのだろう。
この玉屋町でも同じように山車の来ないスキを見つけては脚立から降りて腰を下ろすようにしていた。
移動時の持ち運びさえなければ脚立は便利な物で、簡易食のテーブルにもなれば椅子代わりにも重宝する。
さすがにこの頃には学習効果が現れ、トントンではなくトントントンと降りるようになっていた。
だが、まだまだ千秋楽まで先は長いのに散々オットットをやってしまったのだから、夜まで保つだろうかと不安になってくる。
※10年後の現在は三段脚立は封印している。危険だから使うなと某山車組の母さんからのキツイお達しを守ることにしたのだ。
この三段の脚立に立つと非常に見晴らしが良い。ただし、見晴らしが良いということはその分見られてるという事でもあって、群衆の中で私一人ポツンと突き出てしまう。
そのせいでもないだろうが、沿道で写真を撮っていると、通りすがりの皆さんは声を掛けて下さるし、楫方連中もポーズを取って通り過ぎたり案外楽しいこともあった。
全部ではないが一部だけ紹介しておこう。