三之丸天王祭〜車楽(だんじり)車

宵宮の車楽と見舞車 尾張名所図会(片端試楽)

宵宮と朝祭、それぞれの祭礼に姿を変えて登場する。
本体は二層の曳山で一木四輪の外輪、二階部には役者が乗り込み、そこで稚児舞や楽(囃子)を行なう。これは熱田宮の神楽座に属した楽人が奉仕した。

装飾は屋根の上に施され、宵宮は津島天王祭の車楽船の様に、一本一本、提灯を竹の先に付けて半球状に形作り、巻藁船の様に飾られた。

朝祭は屋根に屋形等を乗せ、二体の能人形を安置し、松を立て幕で山の形を作って飾られた。車楽の後方には二本の楫棒を地面と平行に突き出す。
戦災で一輛焼失した。

朝祭りの車楽 尾張名所団扇絵

先御車

名古屋村、広井村、車之町が年番で出す。
能人形は高砂。文明年中(1469-1486) の作。


後御車

車之町、益屋町が年番で出す(以前は中野村、高畠村、車之町が後御車にかかわっていたが中野村、高畠村が困窮し、車を益屋町へ売り渡す)
能人形は室君。 文明年中(1469-1486)の作。