花車神明社祭〜内屋敷「唐子車」(からこしゃ)

旧広井村9輌の見舞車のうちの1輌で猿猴庵日記(金明録)には文政4年(1821)には既に山車を保有していたことが記されています.
現在の山車は保存されている山車の部品箱から天保12年(1841)に建造されたと思われます.

からくり人形は大将人形と唐子2体、前棚に唐子の采振り人形が1体.
1体の唐子が惜車(装飾歯車)の付いた蓮台を回すとせり上がり、蓮台に乗った唐子が梅の木に飛び移って倒立して太鼓を叩くものです.
平成11年(1999)に空木立ちを新調.

山車幕は猩々緋で前面に内屋敷町の黒糸刺繍.水引幕は金襴の雲紋です.

●見舞車とは
三之丸天王祭で宵宮の車楽に献灯する目的で造られた山車です.車楽に関わる氏子の車町、益屋町、名古屋村(5輛)、広井村(9輛)の4町村より曳きだされ、伊勢門水著「名古屋祭」では16輛が記録されています.
当初は町々が提燈を灯し宵宮の車樂に献灯していたようですが、大八車に笹提燈を飾った見舞提燈小車が誕生、これが後に見舞車と進化します.見舞車の形状は東照宮祭、若宮祭の山車と同様の名古屋型です.
三之丸天王祭の衰退後は各々の地元祭礼に曳き出すようになり、広井村でも広井の天王祭や戦後は神明社の祭礼に曳き出しています.
今回の「大山車まつり」に出場する見舞車の歴史を持つ山車は、内屋敷町唐子車の他に二福神車、紅葉狩車、筒井町神皇車があります.

花車神明社祭の詳細

内屋敷唐子車の詳細

若宮八幡社に奉納する唐子車
本町通を曳行する唐子車
東照宮に奉納する唐子車